テントの構造
居住性のロッジ型と簡単設営のドーム型。
テントは、さまざまな部品を組み合わせて構成されています。
主なパーツの名前や場所を覚えておけば、何人かで協力して組み立てるときもスムーズに作業できるでしょう。
ポール
テント全体を支えるための、いわゆる骨組です。アルミ、鉄、ジュラルミン、FRP(繊維強化プラスチック)など、材質は製品によってさまざま。数本のポールを連結して使う物がほとんどですが、内部に伸縮コードを入れるなど、テントから抜けにくく工夫された物もあります。
スリーブ
テントシートの筒状になっている部分を指します。ここにポールを通して、シートを支えるわけです。通す際には、力で押し通すばかりでなく、スリーブの方を引っ張ってみると案外楽に通せたりします。
フライシート
インナーテントにかぶせて使う防水シートです。雨や夜露からテントを守ってくれるため、シートの有無でテント内部の過ごしやすさが変わります。テント全体をカバーする物をフルフライ、入り口部分にひさしを設けただけの物をハーフフライと呼びます。直射日光を防ぎ、快適な温度を保ってくれるため、機能性の高いものをえらびましょう。
ボトム
テントの床面部分は、縫製を施さないなど、地面の温度や湿気が直に伝わらないよう加工されています。また雨の多い日本の気候に対応して、床面から数cm上までを床面シートで覆うバスタブ構造になっている物もポピュラーです。
フロントドアパネル
テントの入り口部分です。ファスナーで開閉するタイプが一般的。また、メッシュパネルと組み合わせて設置されている物がほとんどです。
メッシュパネル
網状になったドアパネル。虫や小動物がテント内に入るのを防いでくれます。もちろんベンチレーターとして、風通しをよくする役目も。
ベンチレーター
換気用の窓のことです。外気を取り入れ、テント内の空気を外へ排出します。いわゆる空気口ですね。テント内の温度調整や、結露防止の役目があり、テント内を快適に保ってくれます。テント内の快適さを保つために見逃せないのが、ベンチレーション(通気性)です。特にキャンプシーズンである夏場は高温多湿な時期。テント内は蒸し風呂状態になりかねません。常に入り口を開放しておけば、いくらか風通しはよくなるでしょうが、防犯やプライバシーのことを考えるとそれも問題。そこで重要になるのが、テント上部のベンチレーター(換気用の窓)なのです。天井部分にベンチレーターがあれば、暑い空気を上部に逃がすことができます。さらに、排出した分の空気を取り入れるためのベンチレーターも必要でしょう。それがテント下部にあれば、比較的温度の低い空気を取り込むことが可能です。このように、積極的に空気を循環させる仕組みを「クールエアーベンチレーション」と呼びます。このシステムを採用したテントでは、絶えず新鮮な空気がフライシートとインナーテントの間を循環します。その結果、温度だけではなく湿度も適度にコントロールされ、テント内が結露しにくくなるという効果ももたらされるのです。